お品書き~それは海の果ての宝~
スパイス
それは太古の昔から人類を惹きつけ、「やみつき」にしてきた魔法のような食品である。
古代においてはスパイスはアジア圏で盛んに生産され、香の道、そしてローマ-インドルートと呼ばれる交易路を通じて交易が行われてきた。
また、15世紀に入り盛んになる大航海時代、その原動力の一つにこのスパイス交易があると言われている。
そんなスパイス最強の座を欲しいがままにするかのような名を持つスパイスが、ここサイゼリヤに存在したのだ。
その名も、そう。
「やみつきスパイス」
アロスティチーニ、という羊の串焼きを注文するとセットで付いてくるスパイスのことである。
羊肉につけて食べてみると、これがまぁなんとも美味しいのである。羊の臭みを消し去り、それでいて適度な刺激を与えてくれる。
しかしこのスパイス、一体何者なのだろう?
そのまま舐めてみる。
つっっっっっっっっっっよ!!!!
なんだこれ!?単品で食うとこんな味すんの!?しかもいろんなスパイスが混ざってて材料がわかんねぇ!唐辛子とローズマリーが入ってそうなのは理解した、辛うじて(唐辛子だけに)。
だが1つ、確実に言えることがある。
「これは肉に合うスパイスだ!!」
そう、とにかくやみつきスパイスを一口食べただけで、これは野菜や魚ではなく肉に合わせることで本領を発揮するスパイスだと本能的に感じ取るのである。
具体的になぜそう思うのか説明しろと言われると難しいのだが、これは「驚異の部屋」編集メンバー3人の全会一致での総意なので、恐らく日本人の平均的な味覚が経験上そう告げるのだろう。
ところでこちらのスパイス、なんと単品注文が可能である(50円)。これが意味するところは…そう。
アロスティチーニ以外にもやみつきスパイスが合う商品が存在する
ということだろう。
前置きが長くなったが、今回の記事は「サイゼリヤのメニューからやみつきスパイスに合う物を探そう!」というものである。
では早速いってみよう!
前菜 ~肉に合わないわけがない~
エントリーNo.1
「ラムのラグーソース」!
ラム肉を使ったソースがよく絡むペンネパスタ。やみつきスパイスが肉に合うというなら、ミート系ソースのパスタに合わないはずがない。
さっそくスパイスをかけていただいてみよう。チーズもよく混ぜて口に放り込む。
うまい!
ラムのラグーソース自体は、肉の旨味をしっかりと感じられるのだが、スパイシーさとかそういった方面での味の強さはない料理である。
しかし、そこにやみつきスパイスが入ることによって控えめだった味にパンチが加わった。味に飽きやすさを感じさせないように機能する、完璧な味変調味料となっている。
やはりアロスティチーニと同じ羊肉、当然のようにやみつきスパイスと調和して期待を裏切らない。しかし、この程度は誰でも想像できるのである。ここからが真の検証と言えよう。
エントリーNo.2
「ミートソースボロニア風」!
サイゼリヤでこれを頼むかどうかはともかく、日本人なら「スパゲッティと言えばミートソース!」という方も多いのではないだろうか。
これだけ定番の味だから、もはや説明は不要だろう(決して普段からミートソースを食べてるせいで一周回って味の表現ができないわけではない)。
さっさとスパイスをかけて…
うん、美味しい。スパイスの濃いめの辛味がジャストミートしている。(ミートソースだけに。)まさに味変にぴったり。
ミートソースはラグーソースより素の味が濃いので、スパイスがかき消されないかと心配していたが、杞憂だったようだ。
これで、羊肉以外の肉でもやみつきスパイスは合うことがわかってきた。なので、ここらでちょっと変化球を投げてみよう。
肉と卵とタッグマッチ
エントリーNo.3
「半熟卵のペペロンチーノ」!
変化球の正体、それは卵である。「肉じゃないじゃないか!」とお思いかもしれないが、よく考えてみて欲しい。卵は鶏から生まれ、そしていつかは鶏になるのだ。ならば、卵は実質鶏肉である(?)。だからやみつきスパイスも合うはずだ。
百文は一見にしかず、という言葉もあるくらいだ。御託を並べるより食べてみようじゃないか…
あまり合わないな。少しスパイスが邪魔してしまっている感覚が持てる。端的に言えば、スパイス側が強すぎる。
ならば、やみつきスパイスは卵に合わないか、と言われればそうではないと思う。これは、半熟卵のペペロンチーノの元の味の薄さが招いた事故であろう。卵を使ったメニューの中でも味が濃いものには合うはずだ。
その検証は、次のメニューに託すとしよう。
エントリーNo.4
「チョリソーとハンバーグの盛合せ」!
ミンチ肉の味をストレートに味わえるシンプルかつ美味なハンバーグ。その横から強烈な刺激を与えるチョリソーが…チョリソー…
チョリソー写ってないやん!!!
単体だと結構辛くて食レポ殺しだけどソースを付けると甘味と合わさっていい感じになるチョリソーが写ってないやん!!!
ふざけんなよ撮影者!チョリソーとハンバーグの盛合せなんだから両方写ってる写真撮ってくれよ! (追記:すいませんでした by H.N.)
まぁ無いものは仕方ないので、読者諸君はイマジナリーチョリソーで脳内補完して欲しい。
気を取り直して食べていこう。
まずはチョリソーにスパイスをかけて…(やっとチョリソー君が登場してくれました。みんなの想像は当たってたかな?)
口に入ってきた瞬間の味は明らかに美味しくなっている。唐辛子オンリーの辛さだけじゃなく複数のスパイスが混ざりあった結果だろうか、味の深みが増している。これはぜひ普段から生地に混ぜこんで欲しい。(まぁこの記事にはすでに大量混入してるけどな!)ソースと合わせて食べるとソースの甘みと味の広がり具合がとても良い。
ところで、ここまで言うのを我慢してだのだが…
悪い やっぱ辛えわ
後味でじわじわヒリヒリと辛さがやってきている。とても辛い!!こればっかりは変わらぬチョリソーの性らしい。
さぁ、チョリソーのお次はもちろんハンバーグである。
まずはスパイスだけを付けて…というかソース付けずにハンバーグ食うのずいぶん久しぶりな気がするな…
肉の方が強い…だと…
ここまでの流れからして、単調な肉にスパイスが深みをもたらしてくれるはずなのだが…さてはチョリソーの辛さに舌がやられたか?(そもそもなぜチョリソーを先に食べたのか、コレガワカラナイ)それとも塊肉とミンチ肉では話が違うのか?
まだ慌てるような時間じゃない。なぜなら、このメニューには目玉焼きが付いている。ハンバーグと目玉焼きを一緒に食べる前提の料理なのだ。ならば一緒に食べようではないか。
白身が果たしてどのような変化をもたらしてくれるか。念のためスパイスも量を増やした。はてお味は…
スパイスを増やしすぎたようで少ししょっぱくなってしまったが、白身の淡白さ、まろやかさがスパイスとマッチして非常に美味である。流石はハンバーグ+目玉焼き、サイゼリヤ公式の食べ方だけあって黄金比だ。
待てよ…白身だけでこんなに美味しいなら、黄身とソースも付けたらどれだけ美味しいんだ…?
「チョリソーとハンバーグの盛合せ」にやみつきスパイスを合わせて、最強のハンバーグを作りたいんですよ~
それはちょっと、見てみたいかも~!
では、最強のハンバーグの材料が登場です!
「ハンバーグです」
「白身です」
「黄身です」
「ガルムソースです」
「やみつきスパイスです」
合ッッッッッッッッッ体!
遂にフルメンバー揃いましたよ!
これは一体、どうなっちゃうんだ~!?
美味しい…は美味しいが、思ってたんと違う。スパイス以外の4つがそれだけで最強のハンバーグになってしまっていて、スパイスは完全に蛇足となっている。
やみつきスパイス入り最強ハンバーグを作ろうとしたらスパイスが一番不要、というなんとも残念な結果になってしまいましたので次の料理に…
と思っていたのか?
まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!!!
ハンバーグのプレートには付け合わせがあるものだ。彼らで挽回しようじゃないか。
まずはコーン。スパイスをかけたら少しだけ味に深みが出たような気がしなくもないが、元からコーンにかかっているソースの主張が強く、それほどやみつきスパイスを感じられなかった。
となれば、トリを任せられるのはカリッとポテト君しかいない。頼んだぞ…
お、合うじゃないか。たまに見る黒胡椒味のような…いや、コンソメ味の方が近いか。そういったスパイス系ポテトチップスと同じような風味が感じられてとても良い。案外、この発想はポテトチップスの出発点に近いのかもしれない。
ポテトチップス誕生の瞬間(?)を感じるいい組み合わせであった。
検証は次第に肉とは言いがたいメニューへ…
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