メイン ~肉じゃないかもしれない~
エントリーNo.5
「バッファローモッツァレラ」!
「卵は肉から出てきて肉になるのだから実質肉だ」と前章で述べたわけであるが、卵以外にも家畜から取れる食料は存在する。
そう、ミルクだ。
「なんだ?お前はミルクまで実質肉だと言い張るつもりか?」
そうだと言いたいのだが…卵と違ってミルクは肉から出るが育って肉にはならない。そのあたり肉度(?)が低いので、私としてもこれを肉と言っていいものか迷っている。
だがミルクは本来親が子に飲ませるものであり、飲まれたミルクは子の血肉となる。だから実質肉だとこじつけて食べていこう。
実は私はモッツァレラは加熱した方が美味しいと思っているのでバッファローモッツァレラは基本頼まない。だから知識も薄い。
なので、まずはスパイスなしで普通の食レポをさせて貰う。
最初はオリーブオイルも付けずに…
なんだこれは!?
圧倒的なみずみずしさ!わずかに酸味もあってまるでヨーグルトじゃないか!
そこら辺のスーパーで安く買えるモッツァレラとはわけが違う。これなら生モッツァレラ苦手な私でも喜んで食べる!さすがサイゼ、いい素材を揃えている。食わず嫌いは良くないな。
次は付属のオリーブオイルを付けて…
おや、このオリーブオイルは始めから塩が入っているのか。量で言えば少しのはずなのに、塩味が際立っている。この塩味とモッツァレラの酸味のおかげで、オリーブオイル単品で食べた時のくどさを感じない。オリーブの旨みだけがそこにある。まるで、オリーブオイルを味わうためにモッツァレラが存在しているかのような見事なバランスだ。
バッファローモッツァレラが普通に美味しいことがわかったところで、お待ちかねのスパイスタイムである。どれ味は…
ペペロンチーノの一件があったので、味の薄いモッツァレラはスパイスに負けるのではないか。
そう思ってた時期が私にもありました。
ところがどっこい、これが絶妙なバランスで成り立っているのである。スパイスの刺激をチーズの濃厚さが包み込み、時々ほのかな酸味がやってくる。
オリーブ相手でもスパイス相手でもしっかりと調和するモッツァレラは、もしかしたら引き立て役の天才なのかもしれない。
ところで。バッファローモッツァレラがやみつきスパイスと合ったことで、我々はこの章の冒頭で生じた疑問に終止符を打つことができる。
お主、やはり肉であったか。
お後がよろしいようで。
エントリーNo.6
「エスカルゴのオーブン焼き」!
エスカルゴを刻んだ香味野菜たちと一緒にオリーブオイル漬けにしてオーブンで焼いた一品。
羊肉を試し、牛と豚も試した。卵とミルクも試した。ならば、次は哺乳類ではない他の動物と合わせてみたい。そこでサイゼリヤが誇る動物性タンパク質料理代表のエスカルゴさんにお越しいただいたわけだが…そもそもエスカルゴさんを食べたことがないという読者も多かろう。
なので、ここでエスカルゴがどういう味なのか紹介しておこうと思う。一言で言えば、
シイタケ
である。初めて食べた時は私も大層驚いたものだが、食感から味までシイタケによく似ている。
そう、カタツムリは動くシイタケだったのだ。
それもかなりの肉厚シイタケだ。
というのはエスカルゴという食材の話で、エスカルゴのオーブン焼きという料理の話に戻ろう。味はシイタケのホイル焼きを食べているようなのだが、使っているのはバターではなくオリーブオイル。なんというか、美味しいのだが味がのっぺりとしているのである。
となれば、そののっぺり感を刺激で打ち消すのがスパイスの仕事だろう。
では早速。
ん?全くスパイスの味がしない…?オリーブオイルの味しかしないのだが、まさかあのやみつきスパイスがオリーブオイルに負けたのか。
そんなはずは…と考えること暫し。私は1つのヒントに思い至った。辛味オイルである。
ご存知だろうか。サイゼリヤのメニュー、そのピザのページに書かれているオススメの食べ方、それこそが「辛味オイル」。
やり方はいたってシンプル。フリー調味料のオリーブオイルを皿に少し取り、同じくフリー調味料の唐辛子フレークを中に入れて待つこと約10分。オイル全体に唐辛子の辛味が行き渡り、素敵な味変調味料へと変化するのだ。
大事なのは、「待つこと約10分」の部分。そう、辛味成分であるカプサイシンは油に溶けるのに時間を要する。
つまり、先程はスパイスの刺激成分が油に溶けきる前に食べてしまったから、スパイスと油が喧嘩していたのではないだろうか。
仮説が立ったら実証あるのみ。スパイスをかけてから数分待ち、2匹目をいただく。
お?おおお!?
う、うまいッ!!!
味が引き締まった!オリーブオイルののっぺり感が消えて後味スッキリ!!かといってスパイスの主張は強すぎず、「あくまで主役はエスカルゴだ」と言わんばかりに引き立て役に回っている。
ここまでいろんなメニューにやみつきスパイスをかけてきたが、ぶっちゃけこれが一番うまい。
やみつきスパイスなしでエスカルゴ食べれなくなりそう…これが本当の「やみ堕ち」ってね!
エントリーNo.7
「小エビのサラダ(オリーブアンドヴィネガー)」!
スパイスをかける前とかけた後であまり見映えが変わらなかったので、今回は最初からかけた状態の画像で失礼する。
哺乳類以外の動物性タンパク質なら、海産物はやはり外せない。
そしてサイゼリヤで海産物と言えば、もちろんエビである(ムール貝派の皆さんごめんなさい)。小エビのサラダにポップコーンシュリンプと、子供から親御さんまで大人気のエビ。
というわけで小エビのサラダを召喚したわけだが…オリーブアンドヴィネガーをご存知だろうか?
小エビのサラダは基本サイゼリヤのオリジナルドレッシングがかかっているのだが、店員に伝えればそれをオリーブアンドヴィネガーに変更することが可能なのだ。
このメニューを頼んだのは私ではなく一緒に取材に来ていたH.N.なのだが、私も彼に言われて初めて知った。
「味の強いドレッシングよりオリーブヴィネガーの方がエビの味が分かりやすかろう」という理由と、ここまでの流れで「オリーブ+酸味+やみつきスパイスの組み合わせにある程度の期待が持てる」という理由からのチョイス。
これが吉と出るか凶と出るか。早速食べていこう…
うん、凶だね。
確かにエビの素材の味が際立つサラダにはなっているのだが、スパイスが強すぎる。ペペロンチーノの悪夢、再来である。
こんなことなら普通にドレッシングでよかった。なんならポップコーンシュリンプでよかった。
最後なのにこんな結果。世の中上手くいかない。
食後のデザート ~肉かもしれない~
※ここから若干の閲覧注意です。
エントリーNo.8
「イタリアンプリン」!
え?なんで画像が無いのかって?
そんなの決まってる。やみつきスパイスをかけたプリンがあまりに不味くて写真を撮る気力すら起きなかったからさ!
カラメルが一番ダメ。たぶんやみつきスパイスと砂糖の相性が最悪なんだと思う。
プリンの旨い部分もスパイスの旨い部分も全てなくなって、まるで色の三原色を全て混ぜて灰色になったかのよう。もはや一周回って無を感じるような不味さである。
「プリンも卵だからいける」
などと宣った誰かさんを許しはしない。(すいませんでした(2回目)by H.N.)
だが、これで終わりならどれほど良かったことか。
エントリーNo.9
「ジェラート&シナモンプチフォッカ」!
モッツァレラがいけたんだから同じミルクのジェラートもいける。なんならフォッカには卵とミルクが両方入ってる。
なんてことを言いたいのではない。
このメニューの本題は、「シナモン」にこそある。
シナモンの漢字表記をご存知だろうか。世界史や家庭科の授業で聞いたことがある方が多いかと思うが、シナモンは漢字で「肉桂」と書く。
肉桂
肉桂
肉桂
肉じゃないか!!!!!!!!!!
ここに思わぬ伏兵が隠れていた。まさか肉を名乗るデザートが存在していたとは…
だがそうなってはやみつきスパイスとの相性を検証するほかなくなってしまった。
とても怖いが、これが最後の闘いだと思えば俄然やる気が湧いてくる。人間とは奇妙な生き物である。
まずはジェラートだけスパイスをかけて…
この記事も長くなってしまっているので、感想は一言に収めようと思う。
控えめに言って食への冒涜だ。
早く口の中をどうにかしたい。写真を撮ることも忘れ、さっさとプチフォッカのスパイスがけを用意して口に放り込む。
こちらも冒涜的だ。2口目は食べたくない。というか、食べようとしてもこれを持つ手が全力で拒否してくる。
本来はどちらも引き立て役の2つ。それを組み合わせること自体に外道の行いぶりが感じられる。例えるならばそう、ポップコーンを用意せずに塩とバターとキャラメルだけを混ぜ合わせて食っているような人間失格感だ。
となれば最後の希望、両方セットに賭けるしかない。これが本当の最終戦、いい結果に終わってくれ…!
なんということだろう。ジェラートとフォッカが協力してスパイスを抑えようとしている!なんとか互角に持ち込もうとして4:6の微不利まで巻き返した、くらいの感じ。別に味までラスボス戦しなくていいんだけどなぁ…
「エターナルを倒そうとするがまだゴールデンしてないエクストリームじゃないから勝てない段階の仮面○イダーWみたい」
とは一緒に取材に来ていたSiena君の談である。
結論:シナモンは肉ではない。
お土産 〜次なる闘いへ〜
ここまで過酷な闘いに付き合ってくれた皆さんに感謝したい。
「やみつきスパイス」を初めて知った人も元から知っていた人も、この記事でサイゼリヤにそんなスパイスがあったこと、つけると美味しいメニューがあることを知っていただけたら何よりだ。
個人的には、バッファローモッツァレラに合ったことが意外でならない。
もちろん今回検証してのがサイゼリヤの全メニューではないから気になった人は他のメニューも検証してみてくれ!
特に今回の検証では、トマトソースと合わせても流石にトマトが勝ちそうという偏見のもと、ポモドーロやドリアなどトマトソースを使ったメニューを意図的に避けている。攻めるならそこだ!
では、今回の記事はここらで終わりとしよう。
次回サイゼリヤ企画(そのうちやるかも)
「トッピング全乗せマルゲリータ」
ご期待ください。
追記:2023年8月23日
サイゼに行ったらやみつきスパイスが無くなってました…今後やみつきスパイスを食べたい人はアロスティチーニを頼んでください。
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